「困った」「ニガテ」の原因は?

子どもたちの「困った」「ニガテ」の原因について、発達障がいの子どもたちをサポートする言語聴覚士さんたちに話を聞いてみました。

協力:発達障がい支援 よつばCOLORS

子どもたちの「困った」「ニガテ」の原因は、脳の働きの凸凹に関係があると考えられています。

私たちの脳は、それぞれの場所に役割があり、それらが連携して日常生活や学習を支えています。
図のように、脳のハタラキの凸凹が大きいと、やりたいことがうまく進められません。
やりたい意欲が下がってしまう子もいます。

「困った」「ニガテ」には理由があります。

脳のハタラキについて
~脳の機能・情報伝達~

大脳皮質では、目や耳などから受け取った情報が4つのエリア(葉)の間を行き来し“連携”することで、私たちの生活や学習は行われています。
その連携がうまくいかないと「困った」「ニガテ」になって現れる場合もあります。

前頭葉:脳全体の“統括司令部”

感情や行動のコントロール、情報・記憶を使い分ける(ワーキングメモリ)、注意をむける、計画をたてる、など。

頭頂葉:各部門の情報を“統合”

目からの情報・耳からの情報・身体が感じ取る情報を統合。読み書きに関係する。

側頭葉:“耳”からの情報の受付窓口

言葉の認識、言葉の意味理解。

後頭葉:“目”からの情報の受付窓口

見たものの分析・理解。

脳のハタラキの凸凹が大きいと…

前頭葉:脳全体の統括司令部のでこぼコの一例
頭頂葉:各部門の情報統合のでこぼコの一例
側頭葉:耳からの情報受付窓口のでこぼコの一例
後頭葉:目からの情報受付窓口のでこぼコの一例

それぞれの脳のエリアの「働きづらさ」や「連携のしづらさ」が「発達の凸凹」と言われます。
この発達の凸凹の差が大きすぎて、日常や学校生活などに支障がでてしまう程度になると発達障害といわれることもあります。

発達障害の分類

ADHD(注意欠如多動性障害)

不注意・多動・衝動の3つの特性があり、行動の抑制や遂行に困難さがみられます。

ASD(自閉スペクトラム症)

対人関係やコミュニケーションの苦手さ、こだわりが強いなどの特性があります。

LD(学習障害)

聞く、話す、読む、書く、推論するなどの学習に関わる特定の能力に困難さがみられます。

協力:発達障がい支援 よつばCOLORS

よつばCOLORSでは、「でこぼコ・ラボ」を子どもたちのメタ認知(客観的に自分を知る)トレーニングに使用しています。

よつばCOLORS

よつばCOLORSでは、言語聴覚士が子どもの脳のはたらきに注目し、「得意な脳の使い方ってなんだろう」「どうやったらわかりやすいかな?」を考えます。
そのうえで、子どもたちが自分自身を客観的に理解し、学習・日常生活・友人関係において自分の得意な方法を身に着ける為のトレーニングを行っています。